医療機器やセキュリティ機器等への搭載を志向した高性能シンチレータ結晶材料の開発を行っています。 ガーネット型、ペロブスカイト型、パイロクロア型などの酸化物シンチレータ単結晶や、コルキライト型、シーライト型、ペロブスカイト型などのフッ化物シンチレータ単結晶に加えて、最近では吸湿性の強いハロゲン化物(塩化物、臭化物、ヨウ化物)のシンチレータ単結晶の新規材料探索や性能改善を行っています。
優れたシンチレーション特性を有する材料は、Cz法やVB法等を用いて大型化し、企業との共同研究により検出器開発や装置開発を実施するとともに、それらの事業化を目指しています。
開発した一部の結晶はポケット線量計や食品検査装置に搭載されています。
次世代の振動子やセンサー・発電素子として利用可能な圧電材料の開発を行っています。
ランガサイト型、ペロブスカイト型などの酸化物圧電単結晶材料の新規材料探索や性能改善を行うとともに、共同研究者らとともに、その材料定数・圧電特性の評価・メカニズム解明を行っています。
ランガサイト型圧電単結晶では、特にCa3Ta(Ga,Al)3Si2O14 [CTGAS]やCa3Nb(Ga,Al)3Si2O14 [CNGAS]を開発するとともに、その結晶構造や圧電特性を明らかにしました。現在は、企業との共同研究によって大型化や小型振動子の試作品開発を実施中です。
この他にもPb(Mg,Nb)O3-PbTiO3 [PMN-PT]やLiNbO3単結晶の開発も行っています。
発電素子としての応用を志向して共晶体構造を利用した高性能熱電材料の開発を行っています。 自己組織化される共晶体構造を利用した熱電材料である共晶体構造熱電バルク体を新たに開発して、熱電特性向上を達成しました。当該材料は、融液からの一方向凝固によってバルク体内部に2相分離構造が自己組織化されるため、高特性の熱電バルク体が低コストで量産可能な技術として期待されます。
現在は、企業との共同研究により共晶体構造熱電バルク体の更なる高特性化と大口径化を目指した研究を行っています。
独自で開発した融液からの一方向凝固によって一工程で線材化が可能な合金用マイクロ引き下げ法[Alloy-micro-pulling-down method; A-µ-PD method]を用いることで、従来法では線材化が困難であった金属や合金材料の線材化をプロセスを開発しています。
2400℃以上の高融点を有するイリジウム(Ir)や従来法では線材化が不可能であったルテニウム(Ru)に関して、A-µ-PD法を用いた線材化に成功しました。現在では、当該技術を用いた企業との共同研究により、Ir-Ru合金線材製造技術の開発と当該合金を搭載した高効率スパークプラグの開発を実施しています。
この他にも、生体用材料のCo-Cr-Mo合金や熱電対のIr-Rh合金などの線材化プロセスの開発と、その特性評価を行っています。
磁性材料の高特性化やメカニズム解明のための材料設計・結晶作製・特性評価を行ってい
ます。
層状ペロブスカイト型Mn酸化物である(La,Sr) 3 Mn 2 O 7 や(La,Sr)MnO 3 では、FZ法で作製した
単結晶材料に対して、高温の酸素アニールを行うことによって、精密に不定比酸素量を制
御することに成功し、その結果、酸素量が層状ペロブスカイトMn酸化物の結晶構造や磁気
特性に大きく影響することを明らかにしました。酸素量制御によって、材料作製後の精密
な磁気特性制御や本来は磁気抵抗効果を示さない組成における巨大な磁気抵抗効果の発現
が可能となります。
機能性単結晶材料を作製するための、新たな結晶成長技術の開発を行っています。 マイクロ引き下げ法(Micro-pulling-down method;
µ-PD method)を改良することで、高い吸湿性を有するハロゲン化物の高品質単結晶が作製可能なハロゲン化物用µ-PD法(Halide-micro-pulling-down
method; H-µ-PD method)を開発し、様々な新規ハロゲン化物シンチレータ単結晶材料の作製に成功しました。 さらに、結晶成長方向を3次元的に制御可能なµ-PD法である3次元µ-PD法(3D-micro-pulling-down
method; 3D-µ-PD method)を開発することで、スプリング形状の単結晶育成を実現しました。 この他にもCz法やVB法などを改良することで新たな材料系の単結晶育成を実現するとともに、既存の結晶育成技術に捕らわれない自由な発想で結
晶成長技術の開発を行っています。
Ca3NbGa3Si2O14 |
Ce:Y3Al5O12 |
La14Sr16Mn2O7+d |
La085Sr015MnO3+d |
CeCl3 |
Ce:LaBr3 |
Eu:SrI2 |
Co:Cr:Mo |
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東北大学 金属材料研究所
准教授
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(兼任)
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東北大学 未来科学技術共同研究センター(NICHe)