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形状制御結晶成長
〜歩留まり向上に加え、高分解能化を実現する融液成長技術の開発〜
「単結晶材料」は、様々な家庭用機器や精密機器に用いられており、現代の私たちの生活に欠かせない材料である。ほとんどの機器は、多種多様なデバイスとそれを構成する単結晶材料を使用している。例えば、携帯電話には、IC基板のシリコン単結晶、増幅器用のGaAs単結晶、SAWフィルター用のLTあるいはLNと呼ばれる単結晶、発振器用の人工水晶等、数多くの機能性単結晶材料が内蔵されている。最近ではこれらの機器の小型化が進められ、それに使われる種々の電子デバイス、そして必然的にそれら電子デバイスに組み込まれる機能性単結晶材料のサイズも小さくなってきている。 従来、新機能デバイス用の単結晶材料は、引き上げ法やブリッジマン法等で作製した大型バルク結晶からデバイスサイズに切り出していたが、これらの方法では加工時に無駄な部分が大量に発生し、結果としてコストが割高になる。もちろん、パターニングが必要な場合は止むを得ないが、そうでない場合はこの加工ロスは低減させたい。一つの解決策として、単結晶作製時に溶融凝固というシングルプロセスの中で形状を制御して結晶を作製するという方法がある。これまでに行われているものにEFG法(毛細管現象を用いて形状制御結晶を引上げる方法)がある。しかしながら、この方法の場合には、形状を制御する「ダイ」と「材料」との濡れ性が良好である必要があるという制限があり、これまでに実用化された材料はサファイア単結晶のみである。我々はマイクロ引下げ法(図1)という単結晶作製技術の研究を進め、濡れの問題等の困難を回避することに成功した。今後、この技術の自動化などを進め、マイクロ引下げ法による形状制御結晶技術による加工ロス低減を世にもたらすべく日々開発研究を行っている。 |
当研究グループでは、シンチレータと検出器の組み合わせの研究も行っており、当該細径ファイバー技術の活かし方を解像度の向上の観点からも検討している。 解像度は結晶の大きさ次第ゆえ、極細ファイバーと検出器の組合せによりPETの解像度の向上に役立つことができれば理想的である。 現状、BGOで100μmφを切る細さのシンチレータ結晶ファイバーの作製に成功しているので、これにより、 PETの理論的な解像度の限界100~200 μmの達成が期待される |
Web Page 管理者 KUROSAWA, Shunsuke (kurosawaアットマークimr.tohoku.ac.jp)